本日、埼玉県道路公社の有料道路、「秩父やまなみ街道」の料金所パーキングエリア、「秩父やまなみ売店」リニューアルオープン記念式典に参加した。「秩父やまなみ街道」開通、ものつくり大学建学共に10周年というアニバーサリィーを祝い、加えて皆野町商工会との協働事業として、売店改装事業が行われた。計画は、のも大大島研究室、大島博明先生の御指導の元、学生達が担当し、施工にも参加した。大島先生が私の後輩と言う縁もあり、建設の協力を要請された。厳しい現実の中で熱い思いの詰った建築であれば、出来る限りの御協力をお約束するのは当然であろう。秩父市から間伐材の寄贈を受けるなど、多くの方々の御協力とお力添えを頂きながら、今日を迎えたのである。
計画理念を語る大島先生の御挨拶の中で、「建築は、場と人との出会いで生まれるものです。」と言う明快な御言葉があった。特定された場所に、用を満たす為に空間がデザインされ、その計画に沿って一層の知恵と技術を持って施工される。この間、様々な人間が出会い、協働して、建築作品が生まれるのである。そしてまた、この施設が存続する限り、多くの方々が利用して行く。
式典に参加しながら、ここにもメッセ・ワークが展開されている、と実感した。20世紀の終わるころ、情報化社会の中で喧伝されたネット・ワークに対向する概念としてメッセ・ワークと言う造語を作って、使った。この3.11以降の時代の要請に叶う、「場と人間」と言う2核を統合して創造する情況の価値を思うと、改めて「メッセ・ワーク」の再評価の必要な時代と、今日も思ったのである。