今年は、12年ぶりに春一番が吹かなかったと言う。春一番とは、立春から春分の日の間に最初に吹く強い南風を言う。本来、発達した低気圧が日本海を通過する時発生する強い南風を、能登・志摩以西、壱岐の漁師達が、読んでいた風の名前である。「春一番」と言う語感が、風の名を越えて春を待つ心情にジャスト・フィットした事から、戦後全国的にポピュラーになった季語である。関東地方で春一番が吹かなかったのは、統計の残る1951年以降で9回目と言う。
昨日、NACK5スタジアムでナビスコカップ第1節、対横浜マリノス戦が行われた。アウェー、新潟戦で逆転勝利したアルディージャの、ホーム初勝利を期待して応援に出掛けた。
前半15分、新加入カルリーニョスが、左サイドから上げられたゴール前のクロスを一度は横浜のディフェンスにクリアされたこぼれ球に反応して、先制ゴールを決めた。バク宙のパフォーマンスもさることながら、J1昇格して以来、アルディージャ最高のボランチを得たのではないだろうか。彼の活躍を期待したい。
早い時間に先取点を獲得した事で今日は勝てるかと期待も膨らみ、それなりのゲーム展開を見せていたのだが、その後のアルディージャは、決定的なチャンスを少なくとも2・3度作りながらも追加点を奪えず、自ら勝機を逃してしまう何時もの大宮の流れになって行く。結局84分、横浜の齋藤に決められて同点に追いつかれ、試合は1-1のまま終了した。
現在 横浜マリノスは、2008年大宮で監督を務めた樋口監督である。試合中、終始大きなアクションと声を張り上げて、選手を鼓舞し続けた。私は、彼を高く評価していたが1年で任を解かれている。試合終了後、当時指導を受けている渡部・青木・江角ら選手が、樋口監督に駆け寄り挨拶をしているシーンを見た。樋口監督の人となりを想像出来る、良い風景であった。
我が方の監督は・・・、ベンチのポールに寄りかかるクールな姿を、大宮サポーターはどう見ているのだろうか。選手の大幅な補強をしながら、勝ち点45を予想する私の危惧は、まさに此処にあるのである。
春一番は吹かず、アルディージャのホーム勝利もまだ先のようである。