中心市街地活性化へのアプローチは、万策試みながらも難しい問題の様である。1988年、テクノグリーンセンター構想が熊谷に決定しながらも、時代に弄ばれながら用地は相変わらずコミュニティー広場と称する更地状態が続く。ここに来て、県下の県立図書館が統合され、この用地に建設される事が決定した。喜ばしい限りではあるが、合わせて国の中心市街地活性化法をクリアーする地域認定が必要と言う高いハードルがあるとも聞く。県、市とも財政の厳しい中、国の金を引き出さない限り、実現は難しくなると言う構造である。
俗に言う中心市街地活性化法は、1998年に出来た「まちづくり3法」の中の一つで 土地の利用規制を促進するための
改正都市計画法、生活環境への影響など社会的規制の側面から大型店出店の新たな調整の仕組みを定めた
大規模小売店舗立地法、中心市街地の空洞化を食い止め活性化活動を支援する中心市街地の活性化に関する
中心市街地活性化法の3つの法律を総称して言う。その後2006年に、新に都市計画法、中心市街地の活性化に関する法律が改正され、「
改正まちづくり3法」 として公布されている。
改正後、中心市街地活性化基本計画の認定第1号が、コンパクトシティを計画に盛り込んだ青森市である。今回、熊谷商工会議所議員倶楽部の視察旅行で青森を訪問する事が出来たのである。
(ねぶたの家 ワ・ラッセにて)
青森商工会議所地域振興・六角部長より、市内パサージュ広場、古川市場、駅前再開発ビル・アウガを御案内頂き、ねぶたの家 ワ・ラッセにて、中心市街地活性化基本計画の概要を御説明頂いた。過日、中活事業の目標達成率の中間報告が新聞報道されていたが、ほぼ何処もクリアーしている所は無いと聞く。氏の御説明によると、青森市は人口30万で、この規模の都市では世界1の降雪量を記録すると言う。都市のスプロール化に対し、除雪に掛かる費用は莫大で、その対策においても街のコンパクト化は必然の発想であった、と言う。急激な少子高齢化に対応するべきコンパクト・シティー構想を、どの地方都市も希求ているが、雪が中活事業の中心にあった事は、こうして聞かない限り熊谷で暮らす私達には理解できない事である。又、アウガは、1~4階に商業施設、5,6階に青森市男女共同参画プラザ・カダールが、6~9階に青森市民図書館が入っていると言う。この図書館利用者がシーズンを通して集客の力と成っていると言う報告に、熊谷の県立図書館を核とする構想への安堵を覚えたのも偽らぬところである。
ワ・ラッセは、ねぶたの家であるから、祭り会館の機能を持っている。私は、40年程前に、この祭りを見ている。学生時代、青森の街を遅くまで友人と徘徊した事を思い出した。
極めて厳しい現況の中で、真摯に街を考え、愛する街を起こして行こうと言う方々の、決して大形では無い確かな力を感じさせて頂い。我が街熊谷は、どうこの問題を取り込み解決して行くのか、私達自身に問われている事を、改めて認識させられたのである。