過日15日、冷たい雨の降る日松原書庫新築工事の引き渡しが行われた。
この現場の経緯は、経済学者でもある施主の松原隆一郎先生の
阿佐ヶ谷書庫プロジェクトと題するブログに詳しくドキュメントされているので、是非覗いて頂きたい。
現場は、引き渡し前日まで、より完璧な仕事の完成度を求めて作業が続いていた。極めて難しい工事で、幾度となく私も現場に訪れたが、完成した建築に圧倒された。建築家堀部安嗣氏のコンセプチュアルなデザインは、流石であり、それを実現した多くの職人の業にも感謝するばかりである。
写真の様に、コンクリートの塊に繰り抜かれた筒に螺旋階段が取りつけられ、壁面全体が書架に成っている。近未来を思わせる宇宙的な感性と、同時に懐かしさを感じさせる静かな空間でもある。
堀部安嗣氏と松原隆一郎先生が、大変喜んで下さった事が、何よりであった。
決して大きく無い建築の充実を、私は誇らしく思ったのである。
円筒の螺旋天空の春寒へ 幻椏