金木犀の香が、街に溢れている。定かに金木犀の木を確認出来ないものの、爽やかな空気と共にある芳香は嬉しいものである。大宮駅から氷川神社の参道を越えると住宅街に入り、NACK5スタジアムまでその通りに金木犀の香を感じていた。
前回の川崎戦、鋭利な刃物を思わせる大久保のアジリティーに完敗。幸い、甲府を除き、下位チームは全て敗退、勝ち点の差は動かぬままに、第26節清水エスパルス戦を迎えた。残留には、清水に勝利する事が必須で、勿論清水にとっても同様な状況であるから、極めて緊張感の有るゲームと成った。
ズラタンの先制点で先行、前半を終わるも、後半に同点に追い付かれる。が、再び家長のファイン・ゴールでリードする。その後の20分の長かった事、終了のホイッスルで勝利を獲得した。甲府、仙台がそれぞれ引き分け、セレッソ大阪は浦和に勝利し、大宮の一気の順位上昇は無かったものの、勝ち点3の差の中に5チームが居ると言う混戦状態である。残留力と言う、大宮の不思議な力が発揮できるか、次節甲府とのアウェー戦が極めて重要になって来た。
NACK5スタジアムでの勝利は、3月23日のベガルタ仙台以来、今季2度目であるから、何とも久しぶりである。家長のファイン・ゴールに思わず涙したと言う楽富さん、ジョーカーさんと折原君、残留を誓うアルキチ達の祝宴は、深夜12時を超えて続いたのである。
実は、長時間の酒宴の中で多くの時間を割いた話題が、サッカーとは別の、思えばどうでも良い事だったのである。好評のまま最終週を迎えたNHK朝のドラマ「花子とアン」に脳科学者が出て来た事への不満である。楽富さんは、脳科学者には責任は無く、このキャスティングをした担当者の破廉恥に怒り心頭、私は、出演の話を受けた脳科学者のポピュリズムへの慢心に強い不快を感じたと、折り合わない。折角の「花子とアン」に傷をつけ、最後に不快な違和感を感じたのは御互い様なのだから、とジョーカーさんが間を取ってくれたのだが・・・、あの方も流行の中で消費され消耗してしまった、と私は思っているのである。