昨日、建築学会埼玉支所主催の、シラコバト団地住戸改修現場の見学会に参加した。
この団地は1967年、上尾市を中心に開催された埼玉国体の選手村として整備されたものである。半世紀が過ぎ、空き室や住民の高齢化が問題に成る今日、その対策の一環として、子育て世帯向けとシェア居住の改修工事が進められている。子育て世帯向け住戸は、ものつくり大学八代研究室が担当し、この様子はNHKTVのニュースにも取り上げられている。八代教授は、本学会の役員でもあり、今回の見学会開催に御尽力下さった。学生達が考えた子育て世帯への提案、おしゃれな家具の製作、と面白い試みが評価されている改修工事の現場を、県営住宅を管理している埼玉県住宅供給公社の担当者の御案内で見学をさせて頂いた。
我が社の社員寮も同時代の同等の計画であり、私も、約10年程寮生活をしていたので、戸室のスケール感と匂いまで懐かしかった。先例工事として、シェアルームが5戸、子育て世帯住戸が3戸完成している。この小さな試みが、どう機能して行くか、見続けなくてはならないと思う。コミュニティー再生までの力に成りえるのか、興味のある所である。
見学会の後、有志による意見交換会と懇親会も有意義で、新たな出会いを沢山に頂いた。
思いの外の早い帰宅に成り、熊谷駅のコンコースに出店する花屋さんの前で足を止めた。実は、昨日3月9日は、妻のバースデーであり、何時も家族でバースデーパーティーをする事で私は特別な事もプレゼントもした事が無い。
4年前の3月11日も、このバースデーパーティーだった。友人のシェフに予約をし、料理を準備して頂いていたので、キャンセルも出来ず、震災の状況も掴めぬままに、開催をした。娘が息子を北本市まで迎えに行き、混乱の中兎に角も、店に家族が勢揃いし、食事会をした。その後、少しずつ甚大な被害が明らかに成って行ったのである。
花屋の花は、美しく盛られながらも私の心を引くものが無い。店頭にひっそりと、根付の雪柳の鉢を見つけた。新鮮な緑の葉に小さな純白の花が寄り添い咲いている。2鉢をピックアップし、簡単なラッピングをしてもらった。
妻と娘と二人の嫁がホームパーティーをしていた。私も息子達も不在の女性だけの夕食会に、私は予想外の闖入である。嫁が持ち込んだたこ焼きホットプレートで、にぎやかにたこ焼きパーティーである。初めての私の小さな雪柳のプレゼントは、女性群のにぎやかな喧騒の中に沈んんで行った。
初めて食べる自家製のたこ焼きは、勿論、美味かったが・・・。