有難くも、思わぬ月曜の朝となった。予想もしていなかった句の入選に、吃驚しているのである。
始発駅残る蚊にしこめが息を吹く 幻椏
金子兜太選次席、「しこめは醜女。この表記が面白いが少し気持ちわるい。」との句評を頂いている。実は、前回10月17日の共選を頂いた日に投句した句である。当日の気分で言えば、少し流して一応の投句・・と思って選んだ拙句である。10月8日、建築学会の会合に出席をすべく宮代町まで出掛けたが、日を間違え既に会合は前日終了していたという、何とも腹立たしくも情けない日に詠んだ句の一つである。「気持ちが悪い」と言う先生の句評は、あながち遠い気分では無く、初めてのローカル線に乗り込む乗客と私自身へのシニカルな視線がそこにあるのである。只々無為な日が、お陰様で思い出の日になった。
投句して3週目に新聞発表と言うサイクルの様である。実のところ、不遜ながら・・、次の週、そして先週、2度の投句に私の気に入っている句を投句している。万が一にも来週の入選は無いのだが、私が自信句と思う程入選は無い。素人にとって座りの良い句を良しと思うのだが、プロは類句類想、月並みである事を鋭く見抜く。俳句を読めない、いわんや自分の句の良し悪しさえ判らない己の非力を悲しく思っている。
ちなみに、朝日俳壇入選の賞品は、官製葉書10枚である。1句に10枚なのだろう、選者一人に10枚では無い様である。過日送られてきた葉書は、共選1句に対する10枚であった。