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日本建築学会は、建築に関する学術・技術・芸術の進歩発達をはかるために、調査研究の振興、情報の発信と収集、教育と建築文化の振興、業績の表彰、国際交流、提言・要望などの事業を幅広く実施し、建築学の専門分野別に常置調査研究委員会を設置し、さらにそれらのもとに小委員会、ワーキンググループを設けて調査研究活動を行なっている日本の建築アカデミズムを担う歴史ある学会である。日本建築学会は、北海道・東北・北陸・関東・東海・近畿・中国・四国・九州と9の支部から組織され、私達の所属する関東支部には、茨木・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川・山梨の7つの支所を持つ。支所活動は「関東支部規定の定めるところに従い、支部の補助機関として地域的に必要な事業を行い、広くこの会の使命の達成に協力することをもって目的とする。」と規定されている。支所に求められるものは、学会の持つアカデミズムと地域のインターフェース、加えて地域の建築諸団体のプラットホーム機能を持たねばならないと、考えている。その為にも支所の行動原理は、学術的な学会の活動理念とはいささかフィールドを異にする事も必要と思っている。最近、支所のアイデンティティーの希薄化から、関東支部役員会における各地支部長の発言も少なく、支所活動の低迷が続いていると言わざるを得ない。 埼玉支所長として支所活動の活性化に努めるべく、主催シンポジュウムの開催や、建築交流展、建築関連諸団体との情報交換、また埼玉支所管内の本庄市をテーマに行われた関東支部第18回提案競技「歴史と現在を紡ぎ本庄の未来を拓く」と言う「まちづくり提案コンペ」の審査員の機会を頂き、単にアイデアコンペで終わらせる事無くコンペ入賞者と本庄市との仲介の機会を持たせて頂き、優秀な学生諸君の具体的な提案実現の場造りなどもさせて頂いている。 そして今回、初の試みとして栃木支所との交流会を開催させて頂いた。 この26日の日曜日、埼玉支所役員6名で宇都宮市を訪問、栃木支所の皆様と支所活動の活動状況の情報交換、低調な支部活動の問題点の在り処など、広範な議論を交わし、意義ある時間を持ったのである。 また、宇都宮美術館開館20周年・市政施工120周年記念「石の街 うつのみや 大谷石を巡る近代建築と地域文化」と言う特別展を見学、同日、同館ホールで開催されたシンポジューム「凝灰岩と近・現代建築ー国際性と地域性」に参加させて頂いた。 中川武博物館明治村館長、三宅正弘武庫川女子大学准教授、橋本裕子同主任学芸員、そして栃木支所長であられる建築家の藤原宏氏がパネラーとして登壇、凝灰岩を使った近・現代の名建築のパネラー各方々からの紹介、中川先生、三宅先生からは、当然にフラン・クロイド・ライトの帝国ホテルが詳しく語られ、藤原先生からは宇都宮に建つ大谷石を使った名建築と共に地域に沈み込むアノニマスな石造建築が紹介された。極めて聡明な橋本学芸員による手際のよい進行で、街並みや景観論、歴史的建造物、産業遺産の保存と活用の問題、まちづくりやアート事業との関り等々、豊穣でスリリングなパネルディスカッションが展開し、楽しくその議論を拝聴する事が出来たのである。 最後に、藤原支所長を中心に栃木支所の大勢の皆様、加えてパネラーの中川先生、三宅先生、橋本さんら宇都宮美術館の学芸員の皆様やスタッフの方々にも大勢参加を頂き、石倉をリノベーションしたジャズクラブを会場に、懇親会を開催頂いた。 大いなる触発と力を頂き、充実した感激の1日になったのである。 ホーム&アウェーを原則に、次回は栃木支所の皆様を埼玉にお招きし、改めて確りとした情報交換をしたいと念じている。
by tgenna
| 2017-02-28 23:41
| 建築
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