我が家の伊予熊谷に小さな白い桜花が4輪咲いた。開花の季節を我が庭で迎えるのは今年が初めてである。
サトザクラの一種で、愛媛県四国中央市土居町で栽培されている品種、花には強い芳香を持ち、 匂いは数キロ下流にある熊谷橋までとどいたと言う事からこの名が付いたと聞く。先陣を切って真っ先に咲く熊谷桜とは名付けの謂れが違うのだから、当然に桜花の在り様も違うだろう事は予想していたが、葉が出て、蕾を確認する事も出来ぬまま、今年は花を見る事は無いだろうと諦めていたのである。
だから、突然に花柄(かへい)の長い4輪の莟を見つけた時は、嬉しかった。開花した一輪の花に鼻を近づけて香を嗅いでみると、かすかに芳香がした。花を沢山付けたら伊予熊谷の花の香で、庭を満たしてくれるかもしれない。
初見の花は嬉しいものであり、来年の楽しみが一つ増えた。