何時もの様に日曜日の怠惰な朝を過ごしていた。9時を過ぎてベッドを起き出し、携帯を見ると、友人や叔母から朝日俳壇入選を知らせるメールが入っていた。明日が新聞休刊日と言う事を知らずに居たので、急いで新聞を見た。
最近、我が俳句脳が全く機能せず、句帳は30日分も空欄が続いていた。頑張っても投句する句さえ無いのだから、朝日俳壇への意識も薄れ今回、俄かに思い当たる句さえ思いつかなかったのである。
黴(かび)
生ふる己が齢と金魚にも 幻椏 金子兜太選3席、「これは正直な自虐」とある。
が、今回この句評だけでは意味が無い。主席句「
サングラス押しも押されぬ田舎者(長岡市)
内山秀隆」に対して、「サングラスで粋がっているのは作者自身ではない。いや、自嘲の句かもしれない。」とあり、次席「
不器用の晩成信じひきがえる(高岡市)
野尻徹治」は、「これは自虐か。いやいや秘めた自信か。」と続き、先生の句評は「これは正直な自虐」となる。金子先生は、相変わらずお元気でいらっしゃるな、と嬉しくなったのである。