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29日は参議院選挙投票日。自民党の凋落を伝えられながらも、どのような選挙結果になるかか、大いに注目していた。新聞社にとって極めて重要な選挙報道の影響を受けて、通常月曜日掲載の朝日俳壇が1日早い昨日になった。1日早まる事も知らずに起き出し、我が携帯を見ると3通の友人からメールが入っていて、朝日俳壇入選を知らされる。必ず早朝に電話をくれる叔母からの連絡も無く、日曜日でもあったので実のところ吃驚であったのだが、早速新聞を確認して見る。嬉しくも首席は2年ぶり、金子兜太選の入選であった。
青梅雨や樹下は白雨となりにけり 幻椏 この句は、切れ字「や」と「けり」が2つ、「青梅雨」と「白雨」の季重なりという俳句のタブーを2つも犯している典型的な悪しき句なのである。が、極めて意識的な我が作意のこの句を、首席にお取り頂いた事が嬉しい。季重なりは無いものの 「降る雪や明治は遠くなりにけり」 という中村草田男の有名な句と同じ構造を取っている。句の中に、置く事を避けるべき2語の間に他の語を挟んでまとめる技法があり、その挟んだ語の総称を 「抱字」 と呼んでいる。明治はの「は」、樹下はの「は」を抱字と言い、下の「けり」を抱え込み、タブーを消しているのである。俳人の山本素竹氏からもお祝いの電話を頂いた。「作意を感じず、素直に感動が伝わる良い句ですよ・・」 とお褒め頂いた事が嬉しい。また、野口先生の御葬儀でお会いした折の金子先生の強い握手に、このメッセージと励ましのサインがあった事に思い至り、最近低調な我が俳句に 改めて一層の精進の意を新たにしている。 合わせて、我が句敵で親友の浅賀信太郎君が、朝日歌壇の首席に選ばれていた。 花巻の街の小さな商人宿老いし女将のバンドエイドよ 信太郎 俳壇と歌壇での同日首席入選という嬉しい偶然は、ありえない奇跡である。「いつか一緒に入選を喜びたいね」 と夢を語っていたのだが、大変な御褒美を神様から頂いてしまった。 自民党惨敗、と言う今朝の現実を見て 「自民党をぶっ潰す」 と言った小泉前首相に潰されたと私は直感した。社会保険庁、閣僚の相次ぐ不祥事が極めて強い印象としてあるものの、小泉純一郎のポピュリズムに徹した政治作法の行き過ぎがこの寄り戻しを生んだ、と思えてならない。不祥事続発という馬鹿な政治家の脇の甘さの露呈は、自民党大勝利という小泉流イリュージョンに酔った現実認識の無い空騒ぎをつまびらかにしただけである。1人区惨敗が何よりの証明だ、と私は思っている。ぶっ潰されればよい。次のカードも無い自民党だから、安部総理大臣が真に倒れこむまで全てを抱え込んで七転八倒すればよいのである。私達に今何が問われ、何を為さなくては成らないのか、この苦渋の中で一緒に考えなくては成らない。貧しく下品に成り下がってしまった我が国民の、己を知らぬままの曖昧な対処療法に、未来は無い、と 思うからである。 俳句の話が長くなり、選挙に関して多くを語れなかったが(勿論語れるはずも無いのだけれど)、少しづつと言う事で・・・。
by tgenna
| 2007-07-30 10:23
| 俳句
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Comments(3)
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by
渡邉誠吾
at 2007-07-30 15:18
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朝日俳壇入選おめでとうございます。勝負が数字で決まるデジタルな世界に比し、審美眼の感性が求められる芸術の世界での素晴らしい一句に頭を垂れるのみです。
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by
tgenna at 2007-07-30 15:55
早々のコメント、ありがとう御座いました。私も貴君のブログに良くお邪魔していますので、ご活躍の様子を何時も身近に感じています。が、思えば久しく一緒に酒を飲んでいませんね。是非近々に、宜しく。
Commented
by
PATRI
at 2007-07-31 09:45
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同時入選とは吉報ですね。おめでとうございます。俳句のタブーをおかしたというご発言ですが、選者ご自身が戦後の俳壇に果敢に挑んだことを思い起こしました。
浅賀さんの一首、商人宿の片隅から、啄木や賢治が姿を現すような不思議な感覚をもちました。もしかしたら浅賀さん自身、かれらのことを想い浮かべていたのではないでしょうか。 自分に句歌という表現の武器があればなあ、と羨みながら、拝読しました。
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