「小鳥」は秋の季語である。秋になると様々な小鳥が渡って来る。我が家の庭にも多くの鳥が来る。私は、小鳥の名前を殆んど知らず、見分けも出来ないのが残念であるが、今日も目白が数匹群れていたし、鵯(ひよどり)がうるさい程に鳴いている。我が家の庭にはそこそこの高木もあり、柿の木もあるから鳥達には格好の場所の様だ。様々な鳥が柿の実を啄ばんでいる。それを見ていると心が和む。よく観察すると、無節操に当たり構わず啄ばんでいない事を知る。啄ばみ始めた柿の実を丁重に食べ尽くすまで、次の柿の実には行かない。手当たり次第に食い散らかさないのである。大変な数の鳥に対して、啄ばまれた柿の実は、100個に対して2~3個の割合であろうか。小鳥達の無欲さに感動を覚える。限られた餌を上手にシェアーし残すと言う美しい自然の摂理を、本能として体現している。この様な鳥の振る舞いを見ていると、人間の強欲を恥じてしまうのである。
目白来て傷ある熟柿を啄ばみぬ
啄ばむは柿ひとつづつの行儀かな 幻椏