冬銀河なべて部分とエンドロール 幻椏
銀河、或いは銀漢は天の川の事である。この天の川は本来秋の季語で、澄み渡った秋の夜空に横たわる星群を詠んだ名句は多い。この季語に冬を付けて冬の季語として強引に使っている。その意味で正しくは、
冬が季語と言えなくも無い。秋の銀河のロマンティックな気分からすると 寒天に横たわる冬の天の川は厳しく在る。星群を全体として見るよりも、私は群れを造る星の一つ一つに思いを寄せていた。
映画のエンドロールには、その映画に関る全ての関係者が書き出されている。これ程多くの人達が1本の映画創りに参加しているのか、と読み切れない小さな文字を漠然と見ながら映画創りの大変さを思い、物語の余韻を引きずりながら 少しづつ現実世界に戻って行くあの暫くの時間が 私は好きだ。エンドロールを見ながら何時も、確かな自我と存在を持ちながらも全体の中に沈み、部分として在る悲しみと安堵を思うのである。