今朝の新聞に嬉しいニュースが載っている。「平成の名水百選」 に 「元荒川ムサシトミヨ生息地」 が選ばれた。
元荒川ムサシトミヨ生息地は、世界で唯一の絶滅危惧種「ムサシトミヨ」が棲息する地域である。元荒川の水源と成る水は元県立水産試験場の揚水で、この清冷な水がムサシトミヨの生命維持装置に成っている。昔は関東各地で見られたポピュラーなトゲウオで、鳥の様に巣を作って子育てをする面白い習性をもつ5センチほどの小魚である。が、河川の汚染、湧水の枯渇などにより、現在元荒川源流400メートルの水域が唯一の生息地になってしまった。今も都市化の中で生活雑排水が流れ込み、年々その数は減少傾向にあると言う。
1987年、ムサシトミヨを守る会が発足し、現在48名の会員が中心になり、環境整備やムサシトミヨ保護センターの運営等、ボランティア活動を続けている。妻もそのメンバーの一人で、毎月2度、第1・第3日曜日の午前9時から10時、保護センターに詰め、広報活動を続けている。種を絶滅させてしまう事は極めて容易であるが、いったん絶滅してしまった種の再生は、困難を極める。今回の「平成の名水百選」 に選ばれた事で、多くの市民に注目して頂き、その価値の再認識と一層の保護活動の契機になって欲しいと願っている。
実は1985年、百選ブームの元とも言うべき「名水百選」に、寄居町日本水(やまとみず)が選ばれている。それを記念して寄居町の友人・柴崎猛氏を中心にして名水サミットが行われた。そのサミットのプロデュースをお手伝いさせて頂いた事がある。昭和・平成の名水百選に夫婦して関われた奇縁を、不思議にも嬉しく思っている。