麻生首相所信表明が国会でなされた。残念ながらライヴでその様子を見ることが出来なかったので、その全文を拝読した。
衆参両院のねじれ、2人の首相の放り出し、実質活動の無いままの大臣交代、選挙管理内閣、という現実を踏まえて、前代未聞の所信表明と言われても、今ここで何を明確にし 何を議論し どう決着して行くかと言う総理大臣の明快な意思が極めて明瞭に示された、と思っている。この事を私は良しとしたい。小選挙区制度そのものが2大政党制を前提とした制度であり、この制度が日本の国民性に合うかどうかは別にしても、相変らず中選挙区制の感性での投票行動が取られているように思えて成らない。明快な対立軸を示す事無く相手の中傷誹謗の枠を超えないままの解散総選挙、そしてその結果としての投票行動に終始してきた。民主党の政権交代、政権奪取もディテールの揚げ足取りで政局を創出することを超えていない様に感じていた。今、急務と思われる課題とその方向性を提示し、それにどう応えるのかを聞きただした所信表明は,今後の展開と判断の極めて有効な視座を明示してくれた、と思う。戦いは、戦うからには勝たなくては成らないと思うが、総理大臣が明確に宣戦布告をした今日、同時に自民党政治家の覚悟が試されている。曖昧な損得、勝ち負けの状況判断で総選挙に突入したならば、自民党の敗北は明らかである。明確な議論の後、どちらを選ぶか、その責任は我々国民にあると私達が意識できるまでの議論の深化を、是非とも実現して頂きたいと念じている。かわす事無く、正面から戦って欲しいのである。