3日ぶりにインターネットに繋がった。何やら難しい事で、説明を聞いても良く解らない。システムの中に古い機材があり、それらを交換しようと言う矢先だったのだが、それが災いした様である。まさに便利な時代、3日の情報ブランクは酷く大きな穴に思えるから、我がアナログ感性も随分と変質している事に、改めて思い知らされる。情報社会での危機管理、この災いを転じたいものである。
過日、熊谷市防災情報メールが鳴った。この市からのメールが結構頻繁にあり、メールの少ない私は、その度にビックリ・ドッキリするのである。振り込め詐欺の注意勧告や、尋ね人であったり、交通事故多発の呼びかけなど様々なのだが、今回は初めてのメッセージだった。それは、「農業振興課からお知らせします。麦藁焼却による煙害を防止しましょう。麦藁は、堆肥となる有効な資源です。農家の皆さんのご協力をお願いします。」 というものであった。
「麦藁」は、夏の季語である。「麦を扱(しご)き落とした後の茎である。麦畑を仕舞う時に、麦藁を燃やす煙の立ちなびくのは、麦扱の埃と共に、麦秋の感が濃い。藁はよく燃え、灰は肥料になる。」 と、ホトトギス新歳時記には書いてある。この時代、日本の季節の風物がまたひとつ、消され様としている。
私も、エコドライブを実践し、100メートルでも平均燃費を伸ばそうと努力をしている。先日も赤信号の交差点を前にゆっくりと速度を落として走っていたら、紫のミニバンに乗った若い赤髪のお嬢さんに後ろから煽られ、右折車線に入った彼女から、「この馬鹿爺・・」と睨まれた。勿論、信号が変わるや否や、対向車線を直進する車の前を急発進で走って行った。私は、そんな視線に耐えガソリンを節約しながらも、麦を焼く白煙は残したい、と思うのである。