11月の晦日、アッと言う間に明日から師走である。
我が家の大樹、欅と思っていた樹は改めて観察すると椋木(ムクノキ)の様だが激しく落葉が始まり、銀杏も樹下はすでに黄色の絨毯を敷き詰めた様である。
軽い椋木の葉は、風に煽られ落葉は広く拡散してしまう。この時期、毎年の様に御近所からクレームが入る。昨夜も、御電話を頂いた。夏場の大樹の効用は充分御理解頂いている様だが、大量の落葉は大変なストレスで、加えて雨樋を塞ぎ、住宅の維持管理にも支障を来していると言う。庭師が入った折には、隣地に越境した枝の剪定や雨樋の清掃を御願いしているが、御満足頂ける情況では無い様である。会社や家庭内でも樹木に対する基本的な思いを異とし、諍う事もしばしばなのだから、近隣の皆様には大変御迷惑をお掛けしている事も充分承知なのだが・・。
市街地の大樹は、地域の共有財とは成らないのだろうか、と思う。景観、環境の視点でも充分に価値はあると思うのだが、私の我が儘で終わってしまう。昔、市役所前大通りの欅並木の落葉を公害と呼び、市役所へ激しい抗議があったと聞いている。落葉を公害という事など論外なのだが、市では担当部署が充分に対応出来る。しかし個人の大樹は、対処も難しい。
市街地から大樹が消えて行く。これが現実で、唯一の解決方法なのかも知れない。
朝から椋木、銀杏を眺め、どうしたものかと心を痛めているのである。