夏星座未知なる神話を君は描け 黙去子
盆の山見上げてごらん星五百 逮歩
幾憶の星列の末に涼みをり 遊水
この星は我がものなりと蝉時雨 季楽
サウナ「銀河」の通用口に月見草 草子
囃子やむ盆の櫓の明けの星 孫歩
星明り夜の徘徊甲虫 丹水
挙げた星数えて送る盆休み 翌檜
見えぬ星探しあぐねて水無月夜 桃
噴水の水落ちぬまま天に星 幻椏
7月最終日の銀遊句会は、皆様の御配慮で私が座主を務めさせて頂いた。61歳の誕生日に、思い出に残る句会に成った。皆様に感謝である。
座主は、披講もお役目である。潜在的吃音症の私は、子供のころから朗読が苦手で、意識すると殊の外目で読む文字が口に正しく伝わらない。日本の女子アナ第1号の遊水さんの前では特に緊張で、代読をお願いしたが素気無く拒否、「あなたの個性でお読みなさい・・」と言われれば、清記された紙面も頭も真っ白に成ってしまう。とにかく大ブーイングの中、冷や汗油汗で披講を終わらせる。フゥー・・・・。
「星」と言う兼題は、いささかリリックに過ぎたかも知れない。が、、今回も力作揃いの楽しい句会に成った。黙去子さんの句は3人の女性と私が頂き、7点獲得。見事に首席。大学で教鞭をとる黙去子さんの、今日の学生の均質化、個性の無さへの義憤の一句。逮歩さんは、警視庁のキャリアである。若い時、御巣鷹山のジャンボジェット機墜落事故の現場で救助活動を応援したと言う。季楽さんが首席で選句、事故の惨状を聞き改めて500の星の御冥福をお祈りした。銀遊句会1番の新人である逮歩さんは、毎回高得点、加えて提出句全てに点を獲得する。悔しい限りである。私は、黙去子・季楽・草子さんの句を頂いた。勿論、我が句は相変わらず遠く圏外である。
写真は左から、孫歩・草子、遊水・桃・翌檜・丹水・黙去子・季楽・逮歩さん。銀遊句会同人の皆様と、我が誕生日、記念の1枚である。