過日、朝のブルーベリーの楽しみを書いたが、思わぬ処に敵が潜んでいる。
今朝、幾粒かの熟したブルーべリーを選り分け摘んでいた時、ビリビリと軽く痛みを感じた。枝に触れた程でもあり、少しの間、更に数粒選び、掌に乗せ、一気に口に放り込んで存分にその味を楽しんだ時、腕に小さな虫刺されの跡が出て来た。急いでキンカンを塗り、虫刺されの軟膏を塗った。が、徐々に腫れが広がり、今は腕の一部がこれ以上ない程に、膨れている。
学生時代、西伊豆にスケッチ旅行に出かけ、そこで蚋(ぶよ)に刺された事がある。見る見る内に腕は腫れ上がり、民宿の主人はすぐにアロエの汁をしぼって塗ってくれたものの、パンパンに腫れ上がった腕を見かねてその集落の医者の所に案内してくれた。ドラマにでも出てくるような寒村の老医師は、祝儀の宴に呼ばれて帰って来たばかりで、礼服を着て随分と酒に酔っていた。「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ・・」と、腫れ上がった我が腕では無く、自分自身に言い聞かせる様に、やっとの事でアンプルから注射器に薬を入れて、我が腕に刺した。医療過誤と言う言葉をその当時は知らなかったものの、何とも心細い思いをした40年前の事が忘れられない。幸い、その注射が効き事無きを得たが、その時の腫れ上がった腕の疼きと膨満感を思い出している。
数日前、妻も同じように虫に刺された。随分と痛かったようで、水道水に晒す事を進め、キンカンと軟膏を塗った。酷く腫れる事も無く、幸い大事に至らなかった。が、私はアレルギー体質で、虫には滅法弱い。気を付けなくてはならないのである。