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昨日は、さいたま新都心スーパーアリーナにあるNHK文化センター・さいたま支社・小河内支社長の御案内により、金子兜太先生の講演を拝聴する機会を頂いた。
幸いにも私は、講演あるいはプライヴェートにも先生のお話を聞くチャンスに恵まれているが、昨日の講演は殊の外我が身に沁みた。 最新の句集の題名は、「日常」 と言い、本年上梓なされた。奥様が癌に倒れ、闘病看護の日々と、見送られて今日までの9年余の句を纏められている。この日々の中で、日常感と言うものを強く感じて来たと言う。日々を大切に、深い日常を持つ事で、非日常への止揚も可能になる事を実感していると言う。この「誠実な日常」と言う実感を基に先生の代表句を改めて見直して見る事から、如何なる作句の情況だったかを率直にお話下さった。例えば、 銀行員等朝より蛍光す烏賊のごとく 神戸時代、尾道に住む友人に誘われて、尾道の水族館に案内頂いたと言う。先生は、水族館そのものに興味は無く些かの迷惑を感じていたが、蛍烏賊の群泳を見て美しいと思った。その記憶が、休日明けの朝の銀行の風景を見て、極めて素直に一句を得たと言う。後に、戦後日本の時代状況に対する批判の社会性俳句として膾炙されて行くが、何の他意も無い素直な実感を見たままに詠んだ、と言う。 粉屋が哭く山を駆けおりてきた俺に 湾曲し火傷し爆心地のマラソン 長崎に赴任し、野外での酒宴が催されたと言う。一人酔い、帰りは小高い山を回って帰る事にした。山の麓に粉屋があり、初老の親父がランニングシャツで下りてくる先生を見ていた。瞬間先生は、なぜか彼は泣いていると思ったと言う。勿論、通り過ぎると親父は泣いている訳でも無く、いぶかしく先生を見送った。その時、ふと口を突いて出て来た言葉が 粉屋が哭く山を駆けおりてきた俺に だった。極めて気分の良いフレーズで、これが俳句かどうかは意識に無かったが、その心地良さから作品として発表したと言う。この句を、俳句の立場を異にする森澄雄が、現代俳句の可能性を如実に示す句として高く評価をした事で有名になった。 爆心地の近くに居住する事で、反戦反核の意識は日に日に強くなり、1句を得たいと思っていたと言う。戦後復興目覚ましい長崎の街で開催されたマラソン選手を見ていると、払拭できぬ原爆被災者のイメージが重なり、どうしても俳句には成らなかったと言う。ある時辞書に、湾曲 と言う言葉を見つけて、一気にこの句を得たと言う。 この様に、思えば誠実な日常と言う場からの創作が、句を作りだしていると言う事を改めて強く感じていると言う。 そして、俳句の理解を多様に許す寛容な日本人の民族的意識、言い換えれば文化の記憶によって、名句が作り出されて来たと言う。単一の正しく理解を求めるものであるならば、俳句の繁栄は無かった。先生の句も、多様な読まれ方の中で、名句・代表句と育って来たのである。今日、益々3句体、奇数拍の音律を持つ最短詩形の俳句は、世界に冠たる民族詩だと強く思う、と仰っていた。 金子兜太と言う俳人の句業を顧みると、常にアウトサイダーの立場に立ちきっている。1度だって権力者インサイドに入った事は無い、と友岡子郷が言うように、激しい闘争の日々だったに違いない。戦い抗い、その為に重厚な論で創作の為の武装をし、常に時代を牽引してきた。卒寿を超えて、気が付けばインサイド、と言うよりもトップに居所を得る事で、一切の拘泥を解放している。純粋に俳句に同化し、誠実な日常を語るまでには、この時間が必要だったのである。熟成されて、淡々としたありのままの語りに、私達は感動するのである。 そのほかにも、多くの先生の代表句をお話頂いた。「人体冷えて」は、東北の農民への率直な情愛であり、「青鮫」は命と言う。私は、これ程に素直で美しい自句自解の語りを聞いた事が無い。ありがたい日を頂いたのである。
by tgenna
| 2009-11-02 13:53
| 俳句
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Comments(2)
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