昨年の9月初旬、柿の樹の下に、実生の白い花を見つけた。可憐な花なので、鉢に上げ、このブログにもアップした。植物図鑑を繰ってもそれらしき草花の名は見つからずにいた。山野草に詳しい先輩にお見せしたけれども分からず、名前不明の外来種であろうと専門家の御指導を頂いて、「シロバナスイカズラ」 なる仮名を頂いた。
荒草と名草は発芽の時期から趣が違う。名草は、すでにそれなりの品格を幼葉の時から持ち合わせているものである。この草もそうで、単なる荒草とは違う。知らないのは私達だけで、きっと確かな名を持つ名草に違いないと思っていたのだが、鉢に取り上げた事で、その命を繋ぐ事さえ危うかったのである。1年草か2年草か、宿根草かも分らぬままに鉢の草は枯れ、このまま2度と会えなくなるのだろうかと気を揉み、我が責任を重く感じていた。春になっても発芽の様子も無く、このまま再度あの可憐な花を見ずに終わるのか、と諦めかけた事もあった。幸い小さな葉が出、小さいままに初花が咲いた。命を繋げる事が出来た安堵で、今はホッとしている。この開花が普通なのか早いのか、昨年の様に9月まで咲き続けるのか、常態を知らないので何も分からない。兎に角、初花を見られた幸運に感謝しながら、注意深く観察を続けたいと思っている。
改めて、この花を御存知の方は御知らせ頂きたいと存じます。