新聞休刊日に当たる月曜の朝日俳壇は、一日早めて日曜日の朝刊に掲載される。休刊日を特別意識している訳ではないから、思えば何時も突然である。日曜の遅い朝、後輩から 「おめでとうございます。」 とショート・メールが入っていた。基本的に入選は2カ月に1度の約束事があるらしいから、まさかと思いながらも我が心はわさわさとした。メールは1通だけであったのだが、彼は、必ず朝日俳壇入選の折に御報告下さる朝の早い友人・叔母の中の一人である。 新聞を開いて見ると、大串章選 8席に我が句を見つける事が出来た。後輩の心遣いに、感謝である。
棒のごとよぎる迅さの鼬(いたち)
かな 幻椏
狸を見つけて間も無くのある夜、農道を照らすヘッドライトに細長い小動物が横切った。両側はまだ刈り取られる前の稲田で、その動く物は、美しい黄金色だった。私は、直ぐに鼬と了解したのである。立て続けの野生動物遭遇に、何とも幸運な思いがした。そして何よりも、11月2句目の入選の元を作ってくれたのであるから、有難い限りである。
ふっと思うと新聞休刊日は、私にとって特異なラッキー・デーかも知れない。休刊日前日の日曜日の朝に、結構入選を頂いている。2000年より投句を初めて75句目、思い出に残る1句に成った。