行田を皮切りに、京都、名古屋、そして金沢・21世紀美術館で行われた金利惠さんが初冬の公演を無事終了された昨日、日本経済新聞 日経俳壇・黒田杏子選の首席に、彼女の句を見つけた。
混濁を経てマツコルリの澄める秋 ソウル
金利惠
充実の今の利惠さんに相応しい、御句である。公演の後、黒田先生の主催する藍生(あおい)の20周年式典に御出席されると仰っておられていたので、日本で直接昨日の日経俳壇を御覧だろうし、きっと多くの御仲間から喜びの御言葉を沢山に掛けられたに違いない。私にとっても嬉しい限りである。かつて、利惠さん首席入選の次の日、我が句も朝日俳壇に首席入選と言う事があった事を、ふと意識したが、万が一にも無いと思っていたのである。
昨夜は、早い夕飯、早い入浴、そしてベッドに入り、ゆっくりテレビでも見ようと思って居たのだが、そのまま寝込んでしまったらしい。目が覚めるとまだ夜中の2時で、昨夜は9時前には寝入ってしまったに違いない。2度寝を試みながらも、今朝は早い目覚めだった。何時もの様に携帯をオンにしても、御祝いメールは何処からも無く、期待も無いままに新聞を広げると、なんと朝日俳壇 金子兜太選首席に我が句を発見した。只々吃驚である。が、この奇縁を有難く思ったのである。
台風は海に消え余命思ひをり 幻椏
金子先生からは、「激しく吹き荒れて海に去る台風を、わが来し方のごとしと思いやる今の自分。韻律ゆるやかに余裕を残しつつ。」 との句評を頂いていた。
2010年、10句目の入選と成った。有難い限りである。