昨日は、終日一級建築士定期講習会であった。建築士事務所に所属する建築士は3年ごとに定期講習を受けなくては成らない。建築士法改正が平成20年11月28日に施行され、その時点で建築事務所に所属している建築士は、初回の定期講習を平成23年度内に受けなくては成らない、という。私自身、すでに一級建築士である事をほぼ放念している程であるから、重い腰を挙げての講習会履修となった。これだけでなく、私は管理建築士講習も近々受けなくては成らない様である。経過措置期間である平成24年3月31日までに、受講しなければ、懲戒処分の対象となると言う。埼玉県建築安全課から 「重要なお知らせ」 として案内が来ていたが、いつの間にか書類の山の中に埋もれていた。
本来、建築の設計業務は性善説で行われて来た。万が一にも構造計算偽造事件が起こる事など、誰も思いもよらなかった。だからそれへの対応は、喜劇的でさえある程にヒステリックだった事を思い出す。その結果、性悪説を前提にした建築基準法、建築士法等、建築関連の法律が改正された。定期講習の義務付けも始まった。制度が変われば、ここに新たなビジネスも生まれる。講習会は、建築士取得の為の予備校の熊谷校舎で、全国一斉衛星放送によるものであった。スクリーンに映し出された講師の講義を黙々と聞き、終了後に成果判定の考査があり、これに合格すれば終了証が交付される。
実務から離れ建築士としての業務はほぼ我が日常から遠のきながらも、意識だけは建築家のポジションを抱えていたいと言う我儘な建築に対する関わりの私は、緊張と苦痛の1日に成るに違いと思っていたのだが、結構楽しく時間が過ぎた。成果判定考査は、レトリックを問う○×式のものだから意味の無い分、自信も無い。どうなる事やら、必要点数が取れなければ再履修だと言う。
そんな日に内閣改造、第2次菅内閣がスタートした。実のところ、良く分らない。この内閣は、どれ程の成果を上げる事が出来るのだろうか。与謝野馨を経済財政担当相に起用、と言う奇策が今後の政局にどう影を落として行くのだろうか。憂国の士の止むに止まれぬ決断と思えるだけに、成り行きを注目したい。そんな中、BSのニュース番組に出演していた西岡 武夫参議院議長の発言と評価が、面白かった。我が意識には無かった政治家だったが、改めて注目をして行きたい、と思ったのである。