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昨日、ものつくり大学で御話をさせて頂いく機会を頂いた。3年生、4年生も参加する授業で、学生達の就職活動を支援するカリキュラムの一つに招聘された。私に与えられたテーマは、地方建設業界の現況と求める人材、と言う事である。
この情報化社会、パソコンをクリックすれば日本の建設業界の現況は、詳しい数値を含めて見る事は可能だし、私の積み上げ獲得して来た持論を語る場でも無いので、1コマ90分と言う時間をどう組み立てるか、ここ数日悩んでいた。が、私の今の実感を、ストレートに語る事で御許しを頂く事にした。 過日、新聞紙上に発表された大学生就職内定率68.8パーセントを見ても厳しい現実を垣間見る事が出来るが、埼玉経済同友会・室久保専務に頂いた 埼玉県内39校ある大学の卒業生総数22.903人に対し就職希望者17.510人、その内10月1日現在のデーターとは言え就職内定者は5.055人の28.9パーセントに止まっていると言う報告に、私は極めて大きなショックを受けた事を始めに伝えた。民主主義の崩壊に繋がる危機の1因に教育水準の向上による社会の再階層化がある事や、グローバリズムによる自由貿易と民主主義の両立は基本的に相容れないものである事などを話し、28.9パーセントと言う埼玉県の現実が殊の外複雑に根深い問題を孕んでいるという我が認識を伝えた。また、建設業界の現況は1992年をピークに建設総投資金額は84兆円から40.7兆円までに落ち込み、70年代のレベルに近づいている事、且つ業者数はそれ程の減少は見られず、極めて厳しい競争状態にある事などを基本認識とした上で、貴君はどう振る舞うかを問うた。 データーに見る数字に一喜一憂する事無く、貴君達が自分の人生をどうビルド・アップして行くかが問題であり、地方工務店の親父として生きて来た私の歴史と意識を伝える事で、曖昧に流される事無く明確な意思決定と自己責任を再度確認して欲しい事を御願した。又、ものつくり大学卒業生を6人採用し、3人が退社している事実の中から、もの大卒業生の共通性と、個々の問題、抱え切れなかった私の責任なども率直に話させても頂いた。又、改めて「地域」と言うキーワードを、現時点のそれぞれの立場で再考する事、生きる指針となる言葉を探す事、あるいは造語する事を勧めさせて頂いた。 90分の内60分を私のプレゼンテーションに充て、20分をフリーディスカッションとした。「中々質問は無いでしょう・・」 と言う担当教授の予想に反して、真摯な意見、質問が出て来た事が嬉しかった。又残りの10分で、印象に残ったワンワード、あるいは感想をレポートを頂いたが、それが授業出席の証明となると言う。 レポートのコピーを頂いて来た。拝読すると、有難くも講義への感謝や、「地域」、「地方」、私の造語である「原域」への興味や、「現場担当者が1番のデザイナー」、「1分の1の発想」、あるいは「星の王子様の狐の話」 などが書き込まれていた。私は、もの大の学生諸君に多く好感を抱いている。今回も、その思いを強くした。学生諸君との僅かな時間の共有ではあったが、彼らがそれぞれにエスタブリッシュして頂く一助になれば幸甚、と思うのである。
by tgenna
| 2011-01-26 10:57
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Comments(2)
Commented
by
tgenna at 2011-01-26 18:07
もの大の八代先生から、メールを頂きました。御了解を頂いて、コメントとしてここに転載させて頂く事にいたしました。
「八代です。貴重な講義、ありがとうございました。 地域、原域、星の王子さま、時間に責任を持つ、もの→こと→いみ→あい(物事の意味合い!)・・・。おかげさまで、何人かの学生の心に刻まれたようです。また、学生にとって、あのような会話形式の講義は新鮮だったと思います。が、いかんせん、履修している学生が少ないのが「勿体ない」かぎりでした。」
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幻椏さんこんばんは。
本日思いがけない頂き物をしました、ありがとうございます。 明日にでもメールしますので・・、また当俳句部屋にお気に入りブログリンクもお願いします♪ すみません、いつも勝手なことばかり。なお有意義な講義だったようですね、下の「墨壷不動尊」にも驚きました(感謝)
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