この所の慌ただしさで屋上ビオトープの観察もままならなかった。毎年熊谷桜と時を同じにして、春蘭がコナラの根元に花を持つ。蘭は花期が長く、その分安心はしていたのだが、今日久し振りに小さなビオトープの奥に春蘭を見た。毎年2・3の花を持つが、今年は沢山の花を付けている。数えて見ると8つ、草色の俯く清楚な花がある。屋上ビオトープに、これ程多くの春蘭を見るのは初めてだと思う。この精一杯のけなげさが、正式名称となった東日本大震災でお亡くなりに成った方々への、手向けの花に思えてならなかったのである。
春蘭の屈みてあるを教へけり 幻椏