陽以君に会う。赤子の成長は、すこぶる目を見張る。ちょっと会わぬ間に、首も随分座り体も大きくなっている。何よりも、私の顔を見て泣き出した。確かな意識が芽生えているのだから、私の顔を見て笑い出すのも遠く無い。話し出したら、これは凄い事になる。待ち遠しいと心から思うのである。
昨日、陽以の初宮参り、初節句、御食い初めの御祝を、浜松の御両親にも御出で頂き行う事が出来た。この辺の事は、全て妻に任せきりである。良く私は解らぬままに、慶事が3つ重なるこの日を、只々喜んだ。
浜松の御両親はあまりお酒を飲めず、息子も車の運転で飲まず、私は一人、遠慮しながら大いに飲んだ。良い酔い心地に成った。
権田酒造の今年の酒を、取って置いて頂く事を御願した。陽以と私が、二十歳の御祝に直実20年秘蔵酒を一緒に飲む為にである。が、成人の祝い酒を一緒に飲む事が出来るだろうか。彼にとってはあっという間の時間だろうが、私はどうなるのだろうと思ったのである。