大先輩の吉岡繁治さんから御手紙を頂いた。氏は、妣(はは)の川柳仲間で、大変お世話になった方である。爾来私も御厚誼を頂き、折々に御指導を頂いて来た。
川柳は、俳句と同様五・七・五の音を持つ日本語の詩の一つである。江戸時代の前句師・柄井川柳の名から、「川柳」という名前で呼ばれるようになった。「うがち・おかしみ・かるみ」という3要素を主な特徴とし、人情の機微や心の動きを詠み込む句を川柳と呼んだ。俳句と違い、口語が主体で、季語や切れの制限もない。が故に、私にとっては只々難しい。「川柳に成ってしまって、俳句は詠めない・・」 と仰る方には、「季語や切れに寄り添えるる分だけ、俳句の方が楽ですよ」 と私は言って来た。
今回、NHK学園生涯学習フェスティバル 第20回記念能美川柳大会に於いて特選、合わせて石川県知事賞を受賞した、との御報告を頂いた。
赤でない少しピンクの嘘が好き 繁治
成る程、ふと微笑んでしまう程に「うがち・おかしみ・かるみ」の塩梅が、流石に見事である。
「熱中症に狙われそうな年代で、出歩く事を成るべく控えまして句会には専ら投句onlyでした。NHK学園の全国川柳大会にも投句した様な心地がしてましたが、通知を受けてから気付きました。現地の式場に参加出来るか問い合わせが在りましたが、日帰りも出来ぬ為欠席の返事をいたしました。もうこの先無いのだから行った方が、とも一寸は想いましたが・・、夢を見ています。」
おめでとうございました。お見事、益々の御健吟を祈念申し上げます。