25,26日の両日、権田酒造に於いて、第27回 「日本酒を楽しむ会」 が開催された。
1985年、都道府県対抗 全国利き酒選手権大会に優勝した事を祝って下さった先代社長の計らいでスタートしたこの会は、一度権田社長の二男出産と言う慶事と重なり開催出来なかった事もあったが・・・、今日まで27回と言う会を重ねて来た。
権田酒造の母屋は、大正期の建築で格式のある典型的な田の字プランの商家である。初回は、8畳の本座敷で宴を楽しんだが、それが2間と成り、3間、店の小上がりまで拡がり、1日の開催が2日間へと拡大して来た。今回、御客様は両日合わせて200人を越えた。会に花を添えて頂いた歌手の 千花有黄 さん、2日目は サウンドペーパー・ジャズ・オーケストラ のビッグバンドの皆さん、20人を超えるスタッフの皆さんを加えると総勢260人を超えるビッグ・イベントになっているのである。
「遠からず美味い酒を作ってくれるであろう小さな蔵」 を応援しようと直実倶楽部を立ち上げ、新酒を楽しむ会を続けて来たが、着実に権田酒造の直実フアンは増えている。越後杜氏の親方から引き継いだ地元のミュージシャン、感性豊かな清光君が武蔵杜氏を名乗り、「重くて綺麗」 な酒造りを目指して、年々研鑽を積みながら極めて厳しい環境の中で権田らしい綺麗な酒を造ってくれている。28年と言うこの歴史に、人も酒も鍛えられて来たのである。
宴の前、参加頂いた皆様に利き酒をして頂く。7種類の酒をランダムに2つのテーブルに置き、1番から7番まで好きな順にそれぞれ順番を付けて頂き、同じ酒を選べたら勝ちと言うゲームである。酒類は違っても同じ蔵の酒である。事前にどうしたら高得点を獲得出来るか、私からその秘策を御話しさせて頂くのだが、思う様に行かないのがこの利き酒である。番号の絶対値の二乗倍が減点になる。全て正解すればマイナスゼロ、1番と設定して次のテーブルで7番と書いたらそれだけで36点のマイナスになる。この2日間で全問正解者が1人、マイナス2点の方が3人、これ程に利き酒は難しく、彼らは素晴らしい嗅覚と味覚と記憶力の持ち主である。
直実を愛飲する方々に、優勝者も最下位も無い、と言う思いで全員の得点と順位を発表させて頂いている。競争社会を生き抜いて来た私達世代とゆとり教育以前の御客さまにとってこれが大いに刺激的で楽しいらしく、この順位を酒の肴に権田の酒と、社長夫人とその御仲間による地の食材を使った心尽くしの手料理に舌鼓を打ち、一座建立、最上の酒宴を今年も持つ事が出来たのである。
御参加下さった皆様、 千花有黄さんとサウンドペーパー・ジャズ・オーケストラの皆さん、この会を支えて下さったスタッフの皆さん、そして権田夫妻と直仁・拓弥兄弟に直実倶楽部会長として、心からの御礼を申し上げたい。
ありがとうございました。