今日は、秋分の日の祝日である。、昨夜は遅くまである事態に対応していた。事に気が付いたのが遅かったので、結局深夜まで時間を取られてしまったが、今日の休日が幸いだった。何時もより少し遅いルーズな朝を迎え、友人からの「朝日俳壇入選」を知らせるメールを拝見した。何時もの御配慮に、感謝である。
空蝉の異形意志ある間は朽ちず 幻椏。
金子兜太選次席、「異形が仰山だが、耐えて頑張っている自分の姿だ。」 との句評が添えられていた。
長い地中での生活から終齢幼虫は羽化の為に地上に這い出て、高さを獲得するため構わず登ってゆく。ラッキーな場所を得るものも有れば、そうでないものも居る。木の幹や葉の上に必死に爪を立て、背が割れ白い成虫が顔を出す。蝉に変態して行く最後の苦痛苦悩を、蝉は異形な殻の形態に残す。すでにそこに命は無く、だから意志も無いのだが、記憶の形象として残り続ける。風に飛ばされ、雨に打たれ、モノに触られ、その場を失ったものから蝉の殻の形状は失われて行く。しがみつく間は、意志ある空蝉として成虫の蝉以上に時間を獲得していると、思うのである。
ソウルの金利惠さんが、日経俳壇・黒田杏子選に4週連続入選をしておられた。句友として、この快挙を祝いたい。我が方は、今年4句目の入選、俳句を詠めなくなっている今を嘆きつつも、放り出す句を掬い上げて行きたいと念じている。