熊谷椿が、今を盛りに咲いている。
肥後椿の一種と言うこの椿の花は、「旗弁」と言われる変形した雄蕊を母衣(ほろ)に見立てて熊谷次郎直実の熊谷の名が付けられた、と伝え聞く。
「一重・平開咲き・大輪。梅芯。花弁は厚く、4月咲き」 と言う特徴からすると、今年の花はいささか早い。寒の戻りの今日とは言え、昨今の暖冬が、こんなところにも表れているのだろうか・・・。
我が家の熊谷椿は、その大輪の重さに耐えかねてか、全て下を向いて咲いている。写真は、木下に分け入り、天に向かってシャッターを切ったものである。我々に刷り込まれた日本の椿の花の印象は、華麗に咲き誇りながらも、一抹の哀しさを感じてしまう。
熊谷椿寄居て熾烈なる命 幻椏