一か月程前になるだろうか、我が社の駐車場をL型に取り囲む皐月垣が一斉に花開き、赤い帯状の景を作っていた。その折、欅の樹下、充分に日の当たらない部分だけ花を付けず、日照の大切さを感じていたのだが・・・。
そんな思いがあったにも関わらず、意識しないと風景は見えないものである。花を持たなかった皐月垣の一部が、不十分ながらも、今赤く染まっている。実は最近それを知り、どきりとした。風景の変化を見ながらも意識しない限り気付かないのである。改めて人間の目の曖昧さを、いや、凄さを感じている。
開花のための必要日照時間が、1か月のタイムラグの後満たされたのだろう、今やっと残りの皐月垣に花が咲いているのである。
「あなたの座右の銘は?」と問われると「不断の意識」と答えて来た。今でも私は、「不断の努力」以上に不断の意識と思っているのだが、普段の意識の在り様に微妙な変化が出て来ている様である。
くわばらくわばら、加齢を言い訳にしてはならぬと、自分に言い聞かせるために記事にさせて頂いた。