4月15・16日、我が建築学会埼玉支所、並びにNPO法人MCAサポートセンター共催による第17回「さいたま住まい・まちづくり交流展 in 宮代」が、宮代町進修館を会場に開催された。
昨年10月から準備会を開催、進修館スタッフの皆様、地域の諸団体、日本工業大学・共栄大学の先生や学生諸君と私達学会員、多くの皆様との協働の中でこの日を迎える事が出来た。今年度のテーマは、「まちおほめる・たてものをほめる」である。
御後援を頂いた宮代町・榎本和男町長に、開会式に御臨席を賜り、御挨拶を頂いた事も、この上なく嬉しい事であった。
初日は、進修館の徹底解剖を試みる。
1955年誕生した宮代町の初代・斉藤甲馬町長の高邁な理念と強いリーダーシップの基、1980年「宮代町コミュニティーセンター進修館」が建設された。町民はその異形に戸惑いながらも愛着を持ち、次第に揺るぎ無い誇りと成って行く。設計は、象設計集団。「たくさんの世界の中心のひとつ」をコンセプトに創られたと言う。
進修館誕生から37年、建設から運営、そして未来へと語って頂いたのである。
パネリストは、前半、現場で設計管理をなされた元像設計集団・西尾貞興氏、元宮代町役場職員・田沼繁雄氏、元宮代の顔づくりプロジェクトを担当した建築家・茂木俊二氏により、建設から初期の秘話を語って頂き、後半は、現在運営を担当する進修館指定管理者・渡辺朋子氏、宮代町役場町民生活課の新井康之氏に進修館の今をプレゼンテーション、そして建築家の金野千恵氏に進修館の改めての評価と今後の目指すべき方向を語って頂いた。
コーディネーターは、京都国立近代美術館の橋本仁氏、そして埼玉支所幹事の若林祥文氏に御担当頂いた。
初日の最後は、多くの皆様に御参加を頂き盛大な懇親会を開催、地酒と地元の蕎麦打ち名人による蕎麦と天ぷらに舌鼓を打った。
二日目は、「まちをほめる」をテーマにポスターセッションとリレートークが行われた。
川越きものさんぽの藤井美登利氏の基調トークを皮切りに、宮代まちほめ学会の手島亙氏、旧日光街道・越ヶ谷宿を考える会の畔上順平氏、杉戸宿案内人の会の寺田竹雄氏、日光街道・幸手を感じる会の新井和博氏、幸手宿観光ガイドの会の中島克恵氏、幸手市アートさんぽ展の小林晃一氏、本庄まちネットの戸谷正夫氏、まち歩きTEKU・TEKUの井出幸人氏と、リレートークが展開した。皆様のプレゼンテーションが素晴らしく、「まちのほめ方・もりあげ方」が実践をベースに濃密に語られた。
コーディネーターは、埼玉支所幹事の古里実氏、手際の良いファシリテーター振りも素晴らしかった。
一途にまちを愛する方々が、一堂に会し、連携する事で起きるケミストリー、そのエネルギーの確かさと清々しさに圧倒され、感動を覚えた。私は、ライヴでこの場を共有・実感出来た幸運を、強く感じていたのである。
多くの皆様の御力を賜り、成功裏に今年度の「さいたま住まい・まちづくり交流展」を終了する事が出来た。惜しむらくは、その素晴らしい場を、もっと多くの方々に御参加頂きたいと思った。それ程に素敵な情況を御作り頂いた事に、只々感謝である。
次回、18回交流展も、新たな地域との協働の中で、我等建築学会・埼玉支所の総力を挙げて開催したいと念じている。今後とも宜しく御指導、御協力を賜りたい。
ありがとうございました。