23日の金曜日、3月の銀遊句会句会が開催された。座主は翌檜さん、兼題は「甘・スイート」である。今回、常連の典女さんが急用で御欠席、3月句会は9名の参加となった。
芽吹く枝越え来る甘き季の風 翌檜
犬あくぶ大気は甘く遊糸立ち
筍を甘々と煮て母本意(ほい)
でなし のどか
生存の甘き苺の獣臭(けものしゅう)
幻椏
永き日は変り玉の甘味良とする 黙去子
春の午後吉事(よごと)
の予感甘味に茶柱 逮歩
春雪や年寄りなれば茶に甘味 季楽
彼岸会や柄杓で掬う甘(うま)
い水 智之
甘い詰め傍目八目猫の恋 丹水 春草の大地に滲みる甘雨かな 孫歩
春の夜の錦玉糖のやうな月 草子
「芽吹く枝・・」は孫歩さん逮歩さんが主席で御取りになり6点獲得。「犬あぶく・・」季楽さんが主席で、翌檜・逮歩さんが次席で御取りになり5点獲得。「筍を・・」は逮歩さん主席で孫歩さんが次席で4点、共にのどかさんの作品である。そして我が拙句「生存の・・」はのどかさんが主席で丹水さんが次席で同じく4点獲得。そして今回、黙去子さんから智之君まで各々主席を得て全員3点獲得。因みに「永き日・・」は私が、「春の午後・・」を草子さん、「春雪や・・」を翌檜さん、智之君の「彼岸会や・・」を黙去子さんが主席で御取りになっている。これ程に主席句が分散した事が過去に在っただろうか。また、丹水さんは、次席ながら今回最も多い3名から票を集め3点を獲得している。
今回、御二人から主席に選ばれ最高点を得た翌檜さんが、何とも残念だと悔しがる。主席を頂きながら、座主は商品を自らに与える事は出来ないのである。また書記役ののどかさんも原則商品を頂けない事になっているのだが・・、合計得点9点ののどかさんに翌檜さんから特別に商品が授与された。本来同点3位の私ながら、座主翌檜さんの辞退で私が商品を頂く事に成った。何とも面映ゆくも有難い事である。