31日の暮れなずむ東の空を「
弥生尽はやひと月と思う望」と私は、3月2度目の満月を不思議な感慨を持って眺めた。
この1ヶ月、金子先生御逝去の後、騒然としたメディアの高揚振りに、改めて偉大な俳人、行動する平和運動の思想家、リーダーとしての証左に他ならないと、受け止めていた。
私が毎週拝見出来る朝日俳壇も日経俳壇も、名を直接的に詠み込んだ金子兜太追悼句で溢れていた。なぜこれ程に愛されたのかと思いながらも、ブームとして選句する選者先生方にも、そろそろクールダウンして欲しいと願っていたのだが・・今朝、日経俳壇、黒田杏子選の最後の12句目に我が句が取られていた。通夜、告別式に詠んだ「
三月の白梅三分通夜式へ」「
たちまちに白梅は五分師は永久に」の追悼句の内の一つであった。
投句をして1か月が過ぎ、既に忘れかけていた句を新聞に見たのだから・・・吃驚だったのである。
たちまちに白梅は五分師は永久に 幻椏
最後の12番目の句として御取り頂いた事を、黒田先生には感謝申しあげなければならない。私の追悼句も金子先生との距離感も、この位の位置が丁度良いと思うからである。