陽の落ちて暮れなずむ時間に、黄葉の銀杏は光を孕んで長くそこだけ明るかった。
暮れのこる銀杏黄葉よりし魄 鳥が寄り、黄葉を眺める我が思いが寄る時、大いなる何ものかも拠って光っている・・と思ったのである。
黄葉は黄落に変わり、地面は銀杏の葉で金色に敷き詰められ行く。私は、暫く落葉掻きを控え、黄落の嵩が増して行く様を楽しんでいた。
この週末銀杏の樹を見上げると、すっかり散り果て裸木となっていた。
その時、強い眩暈を感じて一瞬景色が白んだ。最近、こんな危うい身体情況が度々ある。我が椏苑もすっかり冬景色になって来たが・・私自身も、冬枯れて行く。
ちり果つる目眩ひて白むいてふかな