トレーニングジムまでの13.3キロの道は、街を抜け、先ずは荒川を渡り、緑多い比企丘陵を縫う快適なドライブコースである。2月からほぼ隔日に見る風景は、1日として同じ景色は無く、その移ろいに心躍る。
山懐(いだ)
く笑い続けし篁(たかむら)
を 柔やわの萌芽万彩山笑ふ
花吹雪端山の班(はだれ)
埋めんとす
つくづくと、春は短距離走と思うのである。
トレーニングを始めて2ヶ月は、靴もパンツも在り物で済ませていた。私自身に持続する自信が無かったので、自分への過剰な投資を躊躇していたのである。
4月に入り、スポーツショップを覗いた。
いささか緊張しながら商品を見て歩いた。
レジカウンターに運んだ物は、細身のグレーのトレーニングパンツとピンクの靴、実のところこの選択に私自身が驚いていた。我がワードロープには、薄いピンクのワイシャツが1枚あるだけで、派手な色物など有る筈も無く、思い起こせば学生時代にピンクのズボンを穿いて粋がっていた事も有ったが、それ以外の記憶は無い。
古希を過ぎて筋トレを始めた私自身への御褒美なのである。いささかの照れはあったものの、最終選択の逡巡は無かった。ピンクのシューズは、トレーニングへの私の覚悟、とも言える。
初めてこの靴を履いた日、名前も存じ上げない方から「良い色のスニーカーですね・・」と声を掛けられた。この優しさが、この上なく嬉しかった。
同様に、ビッグ・ファイブの記事を掲載した後、何人もの方から「ブログ読みましたよ。」とお声掛け頂いた。杉田会長の御配慮ながら、この優しさに私は吃驚し、感動しているのである。
現在このジムの会員は70名程と聞く。その一員に成れた事を有難く思っている。