昨日の新聞に「ツバメの巣撤去で書類送検」という小さな記事があった。箱根ホテルのラウンジの天井からイワツバメの巣を撤去しヒナを無許可で捕獲したとして、富士屋ホテルなど2法人と支配人ら4人が鳥獣保護法違反容疑で書類送検された、と言うものである。94年ごろからイワツバメがラウンジに巣を作り、フンが落ちて客から苦情が出ていたという。そこで昨年6月約40個の巣を撤去、中にいた70羽のヒナを放置、そのうち40羽が死に、21羽を保護したと言う。ツバメのフンが落ちては成らないところに落ちるのだから、客の苦情も当然である。しかしツバメの本能である巣作りを12年も放置しておけばツバメは許されて居ると思うのも当然である。12年間の怠慢を一挙に解決するための撤去という行為は、やはり大いなる罪だと私も思う。最近の教育問題にも通じるところがある。大事に至る前に指導教育することをせず、大事が起きてから一挙に解決しようと大騒ぎをする。ラウンジの巣を作らせない施策は充分に有った筈なのに、残念である。
そして、相変わらず話題になっている紅白歌合戦の裸問題。ダンサーは本当の裸ではなくてボディースーツにペイントされていたものだから宜しい、のだろうか。本物を見ることと本物に見えるものを見ることの差はどれ程あるのだろうか。最近大ブームのアイススケートの衣装を私は美しいと思ったことが無い。胸と背を大きく開けた様に見せる肌色のシャツがおぞましい。時折報道される黒いタイツの練習風景の方が遥かに美しいと思う。実は、あのダンサーの中にボディースーツを着て居るように輪郭線を裸に描き、裸で踊っていた数人が居たことを御存知か、ならば面白いと私は思う。それが本当なら公然猥褻罪で逮捕 書類送検になるのだろうか。
そしてもうひとつ、実は私の今年の初夢は、思想犯で逮捕された夢であった。逮捕理由は談合問題に対して思想的に従順でない、と言うのである。夢の中で私は不当な逮捕だと多いに抵抗するところで目が覚めた。昔スーパーゼネコンの社長が「談合は日本の文化だ」と言う発言をしていたが、最近は聞かない。談合が文化なのでは無く、建築が文化なのである。だから落札率という数字で談合問題を語る現状に対して、いささかの違和感を私は持って居る。消費財は安ければ安いほど嬉しいと思っているし、建築においても安い程宜しいものもある。また、単にコストの問題を超えた文化財・公共財としての建築もある。これを一緒くたにして、全ての意見を封殺してしまう今の社会、あるいはマスコミに、一抹の不安を感じて居るのは私だけだろうか・・・。