4月がスタートし、新年度が始まった。改めて、地域工務店の在り様を見詰め直し、建築に対する誠実な仕事と対応を旨として、再スタートをしたいと念じている。企業の社会的責任の第1は、企業の存続にあると思っている。特に地域工務店の責任として、担当させて頂いた建築工事の永続的な責任を果たす為にも、我が社が存在し続けなくてはならない。極めて厳しい建設業界の今をしっかりと受け止め、存続のために更なる精進を重ねて、継続を力にして行きたい。
新年度を前に、厳しい経営内容にも関わらず、埼玉県の経営審査で「丸A」の評価を頂いた。昨年県営下奈良団地建設工事で優秀工事表彰並びに優秀現場代理人表彰を頂いた事が、大きな加点としてカウントされての評価である。永年の我が社の建築に対する姿勢を評価頂いた事が嬉しい。この評価に恥じない仕事をしなくては成らないと、全社員、嬉しい緊張を覚えて今日のスタートとなった。
またこれも、私にはこの上なく嬉しいメールを頂いた。先週末、白井君という若い建築家が、図面を携えて我が社を訪問下さった。彼の実質的処女作である建設依頼である。私も直接会う機会を頂き、初対面の彼の図面を拝見した。何よりも、生活者に対して真摯に計画されたプランは彼の資質の高さを充分に読み取れる。最近、住宅が安易な商品として売られている。まさに生活の基本である住宅の軽視に、現代人の貧しさが垣間見られて仕方ない。決して高級でも、高価である必要も無い。只 住まう人に対して丁寧に計画された住宅は、基本的に空間の質が違う。だから当然の事として生活の精神的質、豊かさがおのずと違ってくる。私なりに彼の図面への感想をお話し、商品でなく作品を作って欲しい、とお願いをした。そして 彼の建築への思いを、社を挙げて協力することもお約束をさせて頂いた。
白井君からのメールは、「ご指摘の箇所、熟慮しています。早速、机の上は消しゴムのカスで一杯です。商品ではなく建築作品を目指します。」 と素敵な決意表明が書かれていた。