連休最終日の24日、福島方丈のお誘いで松雲山長光寺で開催された「川島奇北忌俳句大会」に参加させて頂いた。80名近い方が参加する盛大な句会であった。川島奇北は、正岡子規直門5人のひとりで、子規没後は高浜虚子に師事したと言う。ホトトギス同人の最長老で埼玉新派俳人の草分け的存在であり、生涯田園俳人に徹したと言う。頂いた小誌には北埼玉郡会議員、埼玉県会議員、加須村長等の公職を勤めた人物と書かれていた。奇北の菩提寺が長光寺である事から、命日の9月24日に法要と奇北顕彰の句会を福島氏と地元の俳句愛好家のご尽力で開催し、今年9回目を迎えたと言う事である。私は不勉強で、奇北を知らず、長光寺境内の句碑 「
朝顔や来客のみな花敵」 を今回知った程である。10時開会、句作投句、法要、コンサート、披講と結構な長丁場であった。
長光寺は利根川の土手下にあり、土手に上れば利根大堰を近くに見ることが出来る。句作の1時間余寺を離れ、秋景の利根川の大自然に身を置いた。群鳩の飛行を追い続けたり、黄蝶の危うい飛翔を見続けたり、彼岸の釣り人が腰まで川に浸かり釣る様子を見ていたりと、ゆったりとした時間を頂いた。そんな中で駄句を幾つか得てそのうちの2投句を投句したのだが、20人を超える選者の方々から、ひとりとして1度も御取り頂けなかった。参加者全員の名前の書かれたシートが張り出され、句を取られると作者は名乗り、そのシートに赤いドットが貼られ、優秀な方は赤いドットがずんずんと伸びていく。勿論駄句であることは承知ながら、ここまで見捨てられると全く別次元の価値を設定せざるを得ない。屈辱感を超え、最後は名を名乗りたくないと思う程になった。思わずとも遂に 赤いドットを1つも獲得出来なかったのは、私ひとりに成ってしまった様である。全く異なる句世界があると、切なくも言い聞かせている。
空気感微に異妙に差奇北の忌 幻椏