「偽」 と言う字は「手+象の形」の会意文字で、人間が手で象をあしらって手なずける様を示し、作為を加えて本来の性質や姿をためなおすの意を含む、という。日本漢字能力検定協会主催の今年の世相を現す漢字は「偽」であった。応募総数は9万を超え、その2割に近い圧倒的な人が「偽」を選んでいるという。昨年は「命」であったから、それに比べこんな字を揮毫する御僧侶も何とも情けなかったに違いない。私が、人様のことをトヤカク言うつもりも無いが、常に我がままで居たいと念じている。私は、日本人と言う無宗教の民族の行動規範は「もったいない・おっかない・恥ずかしい」という3つの感性に在ると思っている。最近は「もったいない」が世界的ブームだが、「おっかない」も「恥ずかしい」も極めて脆弱な感性に成ってしまった。「天網恢々 疎にして漏らさず」という戒めも忘れられ、天網という言葉を知る人も少数になってしまった事が恐ろしい。
昨夜の、ACミランと浦和レッズ戦を楽しくテレビ観戦し、レッズ選手の頑張りに感動した。ヨーロッパチャンピョンの力をまざまざと見せられながらも、レッズ選手の必死の戦いが美しかった。レッズの健闘を讃え、惜敗という言葉を今日の新聞は使っていた。選手諸君のファイトに「偽」は無かった、と実感している。
3位決定戦を大いに期待したい。