旧暦8月15日を仲秋の名月と呼ぶ。昨夜がその15夜であったのだが、月の出の早い時刻、僅かに赤い大きな月を見る事が出来たが、残念ながら雲に隠れ、雨になってしまった。雲に隠れて月の見えない夜を 「無月」 と言い、雨が降って見る事の出来ない名月を 「雨月」 と言う。
我が家は何時もの様にススキを飾り、月見団子を作り、梨や葡萄の果物、2つの徳利に半紙を丸めて角を刺し、お神酒、お灯明をあげて祝った。夕食は、秋刀魚とけんちん汁と決まっている。
無月、雨月と言葉を用意し、名月の見えない時にこそ、月を慈しむ。雨の縁に向けて月見の膳を用意することも美しい慣わしである。こんな時、改めて留守模様という、主役の居ない場をひそやかに感受する豊かな感性を、私達の誇るべき高等な美意識と思うのである。
今年の十五夜が、満月でない事は承知していた。今日が望である。が、十五夜は必ず仏滅に当たると言う事は知らなかった。大安の今日は、満月を拝む事が出来るだろうか。