昨日は、熊谷高校PTA・後援会新年会に出席させて頂いた。現在、私の後輩で、極めて親しい権田酒造社長が熊高PTAの会長をしている。息子が3年生の時に、私も会長を務めさせて頂いた。その息子も今年29歳に成ると言うから、すでに10年を超えた昔である。今日の活動に昔の人間が出て行くのもはばかれるが、権田氏の応援に1度は出掛けなければと思っていたので、この新年会に出席をさせて頂いたのである。
110余年の伝統を持つ我らが熊高は、良くその伝統を守り自由な校風と質実剛健を今に伝えている、と聞く。それだけでもで卒業生の1人として、嬉しい事である。現役の生徒諸君が元気で在る事で充分であるはずだが、違った視点から見ると、一部に不満も在ると言う。第一に学力の低下、東大、その他有名大学への入学者数がこの所激減している事に危機感を覚える先輩も居らして、ファンドを創り、生徒の為に進学特別授業を開催していると言う。先輩有志のその御努力には敬意を評するものの、基本的な部分で違和感を感じている私は、この事に距離を取って来た。
昨日、〆のご指名を頂いたので、この話題を少々口にした。私は、優秀な生徒が集まらないと嘆くのならば、選択の自由の名の下に学区制を廃止し全県1区にしてしまった制度の再検討が必要と思っている。もう1度、東西南北の4学区でも、全県1区を解消する事が1番の解決法である。急激な時代状況・経済環境の変化、価値観の変容が起きている今日、生徒の通学の負担を考えても、学区制の見直しは必要と思われる。
それにつけても相変らず、東大入学者数で学校の評価を決める事自体ナンセンスであると思う。私が3流大学の卒業生だからのヒガミでは無い。東大卒業の先輩が仰るのなら、それはオゴリに過ぎない。熊谷高校の評価とは、全生徒、教員、加えて卒業生で作るものである。少数の人間の力で決まるものでもない。無名な熊高生、卒業生の総体で造られるもののはずである。私は、青春の3年間を熊谷高校で過ごしたという矜持を元に、それに恥じぬ今を必死に生きる事でその責任を果たしている、と思っている。
豊穣な人生を獲得する為には、大学選択も大切なプロセスである事は、私も承知である。只、決して目的では無い。責任ある人生を構築頂く為にも、後輩諸君の大いなる健闘を祈りたい。