我が街、熊谷市に長年お住まいの俳人金子兜太先生は、2008年度文化功労者表彰を受けられ、続いて第4回正岡子規国際俳句大賞を日本人として初めて受賞、そしてこの3月16日、熊谷市名誉市民に推挙され、議会満場一致で名誉市民となられた。「人間の五感に肉薄する作風は、強烈な存在感を放ち、俳句表現の発展向上に貢献。指導的役割を果たし、文学界の発展に寄与」 と文化功労者選考理由にもあるように金子先生の御活躍は、今日まで更に若々しく衰えを知らない。次々と重なるこのお喜びを、熊谷市民そして各方面の御友人の方々と共に、この熊谷の地でお祝いしようと準備を進めて来た。殊の外、お親しいと言う黒田杏子先生には、様々に御力を頂いている。この1週間、案内状の原稿書きには、直接ご指導を賜り、改めて一流人の木目の細かい配慮と知性に直接触れる事が出来、大いなる学びを頂いた。金子先生にも原稿の御了解を頂き、5月2日の祝賀会に向けて本格的な作業がスタートする。
そんな折、祝賀会の発起人代表をお勤め頂く、商工会議所松本会頭から、「今日の日経に黒田杏子さんの話が出ていて面白かった。素敵な先生の側に居られる君は幸せだね。」 とメールを頂いた。昨日の日経新聞コラム「春秋」に、「しばらく前にラジオで聞いた俳人、黒田杏子さんの話が面白かった。名前をなかなか『ももこ』と読んでもらえない。それどころか、書き間違えられてしまうことさえある。否子(いなこ)。吝子(けちこ)。さらには木と口がひっくり返って呆子(ぼけこ)。楽しそうに逸話を披露していた。」 と書かれている。偶然今日もお電話を頂き、ひとしきりこの話になった。昨日今日と、沢山の電話やファックスが来て、日経のメディア力を再確認したと言う。呆子も、本当の話で、大手企業の宣伝部長から、長い間この宛名で手紙が来ていたと言う。博報堂を退職する折この話をすると、「何で早く知らせてくれなっかった・・」 と強く言われたそうだが、「貴方がそう認識しているのだったら、それも面白いじゃない。」 と答えたと言う。素敵な先生である。
我が家の庭に、杏では無いが李(すもも)の花が咲き出した。李花は純白の花だが、杏子先生は、アプリコットの薄紅色の花がお似合いである。