我が家の夏蜜柑が、今花盛りである。柑橘類特有の芳香が庭を満たし、何とも快い。
私は、夏蜜柑のあの酸っぱさが大好きである。妻も娘も信じられない、と言う顔をする。娘の友人のお宅から、誰にも省みられない夏蜜柑が届く。御礼に清酒直実をお返しするのだが、この交換がお互いに随分と得をしたと思っている、と娘が笑う。
たわわに実る他所の家の夏蜜柑が羨ましくて、5年程前に夏蜜柑の木を植えた。結構大きな木で実が13個付いていた。が、その後2・3年は全く夏蜜柑は生らなかった。植え込んでくれた友人の造園家も、「冬の風当たりが強いのではないか?」 とかその原因を探ってくれたり、肥料の指示も受けた。私は、丁重に水遣りなどをして昨年初めて夏蜜柑が生った。結実した緑の小さな夏蜜柑の子を見つけた時は何とも嬉しく、数を数えるのだが定まらない。結局7つの夏蜜柑が成長し、4つ程取って食べた。充分に酸っぱい良い夏蜜柑である。今は彩りとして3つの実を残しているのだが、それぞれの枝先に真っ白な沢山の花が咲いている。移植して以来、初めての花盛りである。きっと昨年よりも多くの実を付けてくれるだろうと願っているのだが、蜜蜂の大量死などの不吉な生態系の軋みのニュースに、心痛めている今日この頃である。
心配した、黒田杏子著「金子兜太養生訓」の尋ね人が判明した。富岡市長にも、恥ずかしながら御確認をさせて頂いていた。そんな情報を知っていた市長の御配慮で、我が携帯に内緒の電話が入った。市内江南地区での商工会の会合で商工会長が、金子先生の養生訓のお話をしたという。壇上で市長の隣席にいた泉市議会議長が、「時田君に本代を払っておいたのだけれど、どうしたかなあ・・」と、つぶやいたと言う。これは間違いないと、早速お知らせを頂いたのである。泉二良議長とは40年も前、一緒に青少年相談員を遣っていた中である。苗字を呼んでも名を呼ぶような、不思議な感覚から以来、親しくさせて頂いている。既に、黒田先生には1冊注文をしていたのだが、お電話をして、改めて名前を書き込んだサインを御願いした。昨日議会を訪問、残念ながら議長は不在だったのだが、議会事務局担当者に丁重にお詫びをして来た。
我が老化による放念を悔いながらも、一先ず安堵した次第である。