昨日は、6月の銀遊句会だった。
丁度その日に、件(くだん)の会の「第6回みなづき賞贈呈式・祝賀会」が御茶ノ水・山の上ホテルで開催されたので、少し早く東京に出た。今回みなづき賞は、『友岡子郷俳句集成』に決定、「若々しく豊かな詩情から出発し、
跳び箱の突き手一瞬冬が来る ほか、教師として、一個の人間として、人生と自然を尊敬と優しさの眼差しで詠い上げて来た。さらに、平成7年の神戸淡路大震災で被災の折の、
倒・烈・破・崩・礫の街寒雀 から始まる59句は圧巻。友岡子郷の半世紀の結晶、未刊作品を含む全10句集を収録した本集成を大いに評価する。」 と受章理由に書かれていた。贈呈式の後、友岡子郷氏の特別講演があり、充実した大変に興味深いものであった。朴訥に、淡々と俳句と人生を語られた友岡子郷氏の言葉のひとつひとつが胸に染みた。その後、祝賀会が盛大に催され、楽しい時間を頂いた。「さろん・ど・くだん」に参加をさせて頂いたり、金子先生の祝賀会で多くの有名俳人と知り合い、今回も更なる充実した出会いを頂いた。感謝である。
残念ながら、宴酣(たけなわ)の中、失礼して銀遊句会に馳せ参じた。今回遅刻を承知していたので、事前に3句、メールで投句をしていた。兎に角、選句投票の前に滑り込む事が出来た。今回の座主は逮歩さん、兼題は、「健」 である。
草子さんの御指摘の様に、33句の投句中15句が「健やか」と言う言葉を使っていた。「健」と言う兼題は、中々難しかった様である。が、流石、高得点を獲得する句は良い句である。
ドクダミの健やかな生はみ出している 遊水
健やかならず夏衣深く合わせけり 草子
どくだみや健気に咲けば器量佳し 黙去子
健やかに天突き上げる今年竹 孫歩
健やかに積乱雲の昇り立つ 翌檜
健啖が謂はば誇りと西瓜喰う 季楽
日焼けの子小さき寝息健やかに 桃
健康の余剰銭(おつり)
集めて暑気払い 丹水
団塊の頑健頑固暑苦し 逮歩
黒南風に抗う健気青揚羽 幻椏
首席は7点獲得の遊水さん、次席は同じく7点の草子さん。同点ながら座主である逮歩さんが首席に選んだ遊水さんの句がトップになった。私は、この句を次席に、草子さんの句を首席に選んでいる。中々素敵な句である。我が句は、今回も大敗である。「健」の字を上手く使って良い句だと思っていたのだが、残念である。悔しいので2句書き添えておく事にした。
健駄羅(ガンダーラ)
明け易に見る蛾眉の夢
健啖に限りありけり更衣 幻椏