昨日、黒田杏子先生から御電話を頂き、先生の主宰する「藍生」20周年記念号への参加を御誘い頂いた。実は、編集部から御案内を頂いていたのだが、会員でもない私が参加するのもおこがましい、と自主的に遠慮していたのである。
有難くも黒田先生直々の御勧めであれば、と夏休みの初日は、自選5句の選択とプロフィール、統一テーマである エッセイ「俳句と私」 の原稿書きとなった。
妻に乞われ、盆棚作りと慌ただしい中、兎に角書き上げて速達で郵送したのである。思い掛けない夏休み初日の作業となったが、自選5句と拙文をここに書き置く事にする。
「
青揚羽樹下草上の羽一枚
マシュマロの食感ががんぼの歩行感
鏡片のまだ光吸ふ原爆忌
うたたねや魚になって登高す
除夜の鐘天頂の望月の鐘 幻椏
設計を業としていた私は、状況と情報を出来る限り抱えて、後、それを削いで行く事をデザインメソッドとして来た。思えば句作の方法に似ていて、最短詩形の俳句は我が性に合っている様である。厳しい時代情況の中でも私が、高々の実生活域で詠む句によって、私のままに在り続けられたのも事実である。俳句に出会えた幸運を思っている。 」